PECOLO FoodStand S hightail / Black
小さい体に上品で艶のある毛並みと、しなやかな筋肉が魅力のミニチュアピンシャー。
以前は日本で見かけることはあまりありませんでしたが、近年日本でも愛好家の方がどんどん増えてきて、お散歩しているところに遭遇する機会も多くなってきたように思います。
筋肉と骨格が魅力的でスタイルの良い犬種ですが、もう1つスタイルが良く見えるポイントがあるのですが、前足を高く上げて歩く「ハックニー」と呼ばれる歩き方。気品が漂うと共に、より足の筋肉が引き立って美しく見えるのもミニチュアピンシャーの特徴ですね。
そんなミニチュアピンシャーについて今回はご紹介したいと思います!
ミニチュアピンシャーってどこで生まれたの?
ミニチュアピンシャーの起源は諸説ありますが、原産国はドイツとされています。
古くからドイツや北欧の国々で小害獣駆除を目的に飼育されていたジャーマンピンシャーを基礎犬とし、そこにダックスフントや、イタリアングレーハウンドなどが掛け合わされ現在の姿になっていきました。
ドイツ国内で犬種クラブなるものが設立されたのは1895年で、ドッグショーデビューはそれから5年後の1900年なのだそうです。1920年代に入るとドイツからアメリカに渡り、「ピンシャー」(Pinscher)と呼ばれるようになります。その後1929年、AKCによって正式に公認されますが、現在の「ミニチュアピンシャー」という犬名になったのは1972年からのことです。
愛称はみなさんご存知の「ミニピン」ですね。
PECOLO FoodStand S hightail / Ivory・Taupe・ Cacao・Black
ドーベルマンとの関係は?
一般的には同じくドイツ原産で短毛で毛艶があり、しなやかな筋肉が特徴的なドーベルマンを小型にしたのがミニチュアピンシャーだと思われがちですが、ドーベルマンが作出されたのが1870年代、これに対してミニチュアピンシャーの起源は1700年代までさかのぼることができ、100年以上古い歴史を誇る犬種です。
さらに両犬種の間には全く血縁関係がないということも、あわせて広がるとこういった勘違いがなくなっていくのかもしれませんね。
実はテリア?!
この「ピンシャー(ピンシェル)」という言葉は、ドイツ語で「テリア」を表すのだそうです。
ドイツ国内では「レー・ピンシャー(ピンシェル)」「ツベルク・ピンシャー(ピンシェル)」と呼ばれていますが、これは「レー」(reh)という小型の赤い鹿から由来されているのだそうで、ツベルクは超小型という意味があるのだそうですよ。
では、ミニチュアピンシャーはテリアなのか?ということで色々探ってみると、そう呼ばれるようになった背景が見えてきました。
欧米など諸外国ではテリア同様にミニチュアピンシャーのことを「小さな体だけど中身は大型犬」といったように形容されることも割とよくあるのだとか。そのパワフルなところもミニチュアピンシャーの魅力の1つですよね。
先述のようにドイツでは小害獣駆除を担っていたわけですが、それはテリアたちが担っていた役割と同じということや、小さい体でもとんでもないパワーを秘めているといったことから、テリアという意味の名前がついたのでしょうね。
ミニチュアピンシャーの体や毛色の特徴
※犬種については、ジャパンケンネルクラブ(通称JKC)という一般社団法人によって定義付けが行われていますが、今回はそこで公認されているサイズや毛色などをご紹介いたします。
[サイズ]
体高 25~30cm
体重 4~6 kg
[毛色]
ディアー
レッド
レディッシュ
ブラウン
ダーク・レッド・ブラウンまで。 ブラック&タン チョコレート&タン
など
断耳と断尾
ミニチュアピンシャーは立った耳と、短い尻尾が特徴です。尻尾は生まれてすぐ、耳は生後9週~12週ぐらいの時に手術が施されます。
「断耳」や「断尾」は、猟犬や牧羊犬といった人と一緒に働いていた歴史のある犬種や、闘犬の歴史のある犬種に多く、その姿が「スタンダード」として決められました。
そのため現在でも、犬種に関わらず断耳・断尾をすることがスタンダードとされていますが、家庭で暮らす犬たちには必要のないことだという考えや、欧米など一部の国ではアニマル・ウェルフェアの観点から断尾や断耳を法律で禁止している国もあり、将来的にはこういった考えがさらに広がっていくことが予測されます。
気をつけてあげたいことはたくさん
一緒に暮らす上で大切なことはお手入れ以外にもたくさんありますが、元気に走り回っていても実際はちょっとした段差なども彼らにとっては大きな障害物となり、また運動神経が高いとはいえ、骨への影響が大きいため高い場所からの飛び降りには注意が必要です。段差を少なくしたり、家の中で滑りにくい対策をしたり、休息しやすいように快適さを整えてあげることは当たり前ですが、年齢ごとに見直すことも大切ですね。
そして毎日のことだからこそ食事内容や姿勢に関しても、未来のことまで見据えて1日でも長く元気で一緒に過ごせるよう、できる限り気を使ってあげたいものです。
PECOLO FoodStand S hightail / Taupe
大切なケアは嫌いにならない工夫を
体が小さい分「これ以上はやめてほしいんだけど…」「それ苦手なんだけど…」「こわいな…」という犬たちからのサインが見逃されがちです。
そんな中、強引に進めてしまったり、思うように動いてもらうために叱ったりすると、飼い主さんへの不信感へつながります。
お手入れはどうしてもしなくてはいけないものですが、その意味は犬たちにはわかりません。
なので、できるだけ負担を少なくできるように、体に触られることに対する良い印象を持ってもらえるような取り組みができると良いと思います。
そして、寒さ対策として着せる洋服ですが、これも着ることが当たり前ではなく、そもそも犬自身に服を着るという概念がないことを忘れずに、無理に着せたりせず良い印象を持ってもらう取り組みをすることもとても大切です。
一方的に可愛がるだけでなく、忘れてはいけないのはミニチュアピンシャーも「犬」であるということ。
彼らのメッセージを見逃さず、彼らが犬としての満足感を得られるようなものを提供できるように日々取り組んでいきたいものですね。
また、今後も様々な犬種を取り上げていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!
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